倫理的側面

個人情報の管理等については、各医療機関において、関連する個人情報保護法令および医療情報システムの安全管理に関するガイドライン等を遵守して、厳格に行っています。平成29年4月以降は改正個人情報保護法を遵守しています。

疫学研究、臨床研究に関しては、疫学研究に関する倫理指針、臨床研究に関する倫理指針に則り研究を策定し、研究内容は各医療機関の倫理審査委員会により承認を受けました。 遺伝子解析研究に関しては、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針に則り、インフォームドコンセントを得る方法、提供者への配慮、試料の扱い、個人情報保護、患者への配慮などは各医療機関の倫理委員会で審査を受け、承認を受けました。平成27年4月より、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(医学系指針)に則り、研究を行っています。

遺伝情報と臨床情報の相関解析を行う環境は、主要研究機関(九州大学)に限定し、一段厳しい安全管理措置を施し情報保護を行っています。 FSRにおける個人情報の保護は、個人情報を匿名化し、その個人識別情報がある場合は厳重に管理することにより実現しています。

情報セキュリティーについて

脳卒中データベースの情報システムとしてのセキュリティー対策:ネットワーク通信上およびデータ保存施設内でのセキュリティー対策は、NTTデータ、九州大学情報基盤研究開発センター学術情報メディア研究部門との共同研究により最高レベルのセキュリティーを確保し行っていました。令和3年4月現在、外部ネットワークとは遮断され、入退室管理を厳重にした室内のサーバで管理しています。

同意いただいた試料の保存は厳重な管理下に保管されています。なお、保管する同意を得た提供者より試料等の破棄の申し出が合った場合は、試料等の廃棄方法に基づいて廃棄します。

個人情報保護

ご提供いただく退院要約・予後調査の情報、および血液(血漿やDNAなど)は、誰のものかをわからないように匿名化(試料等から住所、氏名、電話番号を削り、代わりに新しく符号を付け、個人情報管理者以外の者には誰の試料等か分からないようにすること)をした状態にして、厳重に管理します。患者様とこの符号を結びつける対応表は九州大学病院医療情報部の個人情報管理者により厳重に管理いたします。

このようにすることによって、患者様の遺伝子の解析結果は、解析を行う研究者にも、患者様のものであるとわからなくなります。ただし、遺伝子解析の結果について患者様に説明する場合など、必要な場合には、九州大学病院医療情報部の個人情報管理者においてこの符号を元の氏名などに戻す操作を行い、結果を患者様にお知らせすることが可能になります。

なお、臨床事項の転記・監査のために、研究を支援する臨床研究コーディネータ(CRC)など第三者が診療録を閲覧することがありますが、機密保持による契約など個人情報保護には十分に留意して実施します。また、退院された後の健康状態の変化を確認させていただく予後調査においては、入院された医療機関の研究担当者が、皆様の住所、氏名、電話番号を用いてお電話やお手紙にてご連絡させていただく場合や、同意文書をかかりつけ医などに確認していただき詳細な臨床情報の提供を依頼する場合があります。

この研究では、研究用データの管理・分析、血液の検査や、血液からのDNA抽出・解析などの業務を外部の機関に委託しますが、外部の機関が受け取る時点で既に個人が識別されないように匿名化されておりますし、委託先での管理を厳重に行うよう契約で定めておりますので、患者様の個人特定情報が外部に漏れる心配はありません。

これらを十分ご説明させていただき、同意をいただいた上でご協力をお願いしております。